2011-01-01から1年間の記事一覧
イギリスでいまもなお続いている暴動と直接的な関連性があるだろう現代社会における排除とイギリスにおけるマイノリティについて少々触れ、今回の事件に関する理解が少しでも深まればと思いまとめてみます。 近代社会の大きな問題として扱われていた貧困と格…
Chikirin氏の「2011-05-15」を読んでいて、どうしても受け入れがたい記述があったので一言。 端的にいってしまえば氏の「原発を利用しながら、豊富な電力を得て利便性の高い社会を作ろうとしていたのは、まさに日本の国民(有権者)の民主的な意思決定の結果…
教育とはなんだろう。今はそうでもないが一時期色々と騒がれていたし、今後社会が安定してもしなくても教育に関心が払われない事態が訪れるとは考えづらい。 ネガティブな見方すれば教育(過程)とは価値や階層の再生産装置であったり、自由すぎて制御できな…
社会の教育システム 社会化は、持続的な不確かさの状態にある人生に向けて備えるものでなければならず、どのように行為するか検討のつかない人間というものについて行われる。57 「社会化は振る舞いの自然的な、そして社会的な条件を自明のこととして伝達す…
不安への対処法として理性的な人間を目指す啓蒙という目的をもつものがシティズンシップ教育といえるかもしれない。 その際の不安とはプログラムの部分であり、たとえば移民の増大や治安の悪化、政治への不参加、コミュニティ機能の低下といった様々な不安に…
議会制民主主義は今日でこそ一般的であるが、そもそも議会制と民主主義は同一なものではないし親和性も普遍的なものではない。議会制は近代以前においても存在していた、ただその議会は等族議会と呼ばれ、貴族・市民(ブルジョワ)・僧侶といった身分を代表…
自由主義は経済としては私有財産と市場による資本主義を基礎としているね。でも西洋の歴史を見ると私有財産はそれほど肯定的には扱われていない、プラトンは私的財産捨てろ!とか言ったりするし、それを批判したアリストテレスも狩猟や牧畜・農耕による財産…
バトラーさんの道徳哲学では「徳は自然に従うことであり、悪徳は自然からかいりしていることである」とする。ここで語られる自然とはどのようなものだろうか。*1彼は自然には、人間を構成する諸要素という意味がある-これは世界のいかなるものも自然の一部で…
西洋思想史における人間の自由意志に高い関心が払われるようになったのは中世のキリスト教神学であるといわれている。もちろんギリシアのころにも、たとえばエピクロスおよびエピクロス学派はデモクリトスの万物は原子からなりそれらの速度や形はあらかじめ…
シュトラウスは古代において自然権は徳や人格的完成と密接な関係があったが、近代においては事実判断と価値判断が切断され、大衆社会から全体主義へ道を開くこととなったとする。古代において自然は普遍的なものとして捉えられていたため自然権は可能であっ…
2006年度ノーベル文学賞を受賞したトルコの作家オルハン・パムクの一冊であり、キリスト教徒のわたしとイスラム教徒の師の交流を通し東洋と西洋との対話を描いている様に見せ、己の人生を愛すること、他者を愛すること、その道程が描かれた作品である*1以下…
『うみねこのなく頃に』も完結した今になってこの作品を取り上げるのもどうかと思うが。やはり一言言及しておきたかった…勢いに任せてかなり無理矢理になってしまった。 この作品のテーマは何であろうか、信頼(構築)、田舎、コミュニティ、反体制、反お役…
この作品はイスラエルに暮らすアラブ人であるハビービーによって1974年に発表され、2007年に日本語に翻訳され出版されたイスラエルに暮らしているパレスチナ人からの語りである。これだけでも十分にこの一冊を読む価値はあるだろう。だから、この辺りに関心…
私流のロイヤルミルクティーの作り方をメモがわりに乗せます。 いわゆるロイヤルミルクティーというのは英国などにはなく日本独自のものであって、一番近いのはチャイと思われます。ですがチャイはシナモンなどスパイスを用いるので、それを抜いたものがロイ…
恋愛とは何であろうか、歴史家シャルル・セニョボスによればそれは12世紀に発明されたものであるとされている。 そもそも恋愛と結婚という二つが結びつきは現代においては至極自然なことだと思われるけど、この両者が結びついたのは近代に入ってからのことだ…
途中でだるくなったというか、もっとちゃんとしたの後日書きたい私的ルーマン理解をまとめる必要があると思われるので、ついでに人の目にも晒してみむ*1ルーマンにおいて一番に重要なのが「世界の複雑性の縮減」であることは間違いないと思われるのですが、…