2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『白い城』私的感想―われと同じである他を愛し、私を愛せ―

2006年度ノーベル文学賞を受賞したトルコの作家オルハン・パムクの一冊であり、キリスト教徒のわたしとイスラム教徒の師の交流を通し東洋と西洋との対話を描いている様に見せ、己の人生を愛すること、他者を愛すること、その道程が描かれた作品である*1以下…

『ひぐらしのなく頃に』批判―排除による信頼構築・合意達成という恐ろしさ

『うみねこのなく頃に』も完結した今になってこの作品を取り上げるのもどうかと思うが。やはり一言言及しておきたかった…勢いに任せてかなり無理矢理になってしまった。 この作品のテーマは何であろうか、信頼(構築)、田舎、コミュニティ、反体制、反お役…

『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』を読んでの感想

この作品はイスラエルに暮らすアラブ人であるハビービーによって1974年に発表され、2007年に日本語に翻訳され出版されたイスラエルに暮らしているパレスチナ人からの語りである。これだけでも十分にこの一冊を読む価値はあるだろう。だから、この辺りに関心…