ルーマンを書こう!

途中でだるくなったというか、もっとちゃんとしたの後日書きたい

私的ルーマン理解をまとめる必要があると思われるので、ついでに人の目にも晒してみむ*1

ルーマンにおいて一番に重要なのが「世界の複雑性の縮減」であることは間違いないと思われるのですが、それを現存するシステムは複雑性を縮減しているので合理的であり、それによって現体制を正当化する保守的なものだ、という具合に理解してしまうのは間違いでありましょう。これがハーバマスさんによるルーマン批判ですね、「テクノクラートイデオロギーだ!」という文句は有名です。この類の批判においてルーマンパーソンズによる社会システム論の改良版という具合に理解されているのですが、それは誤りなのです。

ではでは、その複雑性を縮減するシステム(システム論)とはなんのことなのでしょう。(辞書的な意味はググッてね♡)
システム論は総体の諸要素が相互に関係してるよ!要素間の相互関係大事よ!というモデルみたいなものです。「個別要素間の複雑な相互関係の有機的組織化の形態」がシステム理論の対象なんですね。
そしてシステムはシステムとシステムの環境との間に、システムに属すものと属さないものとの一義的な境界を創出するというのが特徴です。
社会学には主観的に思い込まれた行為の意味が社会を構成する要素と見なすものと、社会的事実の相互作用の連帯が重要である(心的状態を可能にするのは、それに先立つ社会的事実である)という二つの主要な流れがあるのはご存知でしょう。
社会学におけるシステム論としてはルーマンの師でもあるパーソンズのそれが有名でありましょう。パーソンズのシステム論である、構造―機能的システム理論は、規範と価値の特定の構造によって特徴付けられる社会システムを前提とし、社会的に形成されたものの存続を保証するためにはどんな「機能的なはたらき」が必要かを問題とする。つまり社会システムの存続が重要なきほん的関心となる。そしてこの態度は、例えば事実として現在社会秩序を成り立たせている奴隷制を正当化する危険性もある云々で批判された*2
 さてこの後継者と言われるルーマンのシステム理論はどんなものであろうか、ルーマンの理論はパーソンズの構造―機能を転換し、機能―構造的システム理論を打ち立てた。
 ルーマンは近代という多分化社会において、社会システムは規範などの価値秩序の統一的構造としては定義できず、非―規範的な概念を定式化することが重要であるとして機能―構造的観点を採用したのです。
そしてこの理論は、社会システムが代替不可能な特殊なはたらきに必然的に依拠しているという仮説を斥ける。ルーマンはある社会システムを成り立たせている特定の働きがもし機能しなくなったとしても、それに代わる他の働きが作動することによって対処できるとします。
 ルーマンによって、どの具体的な働きがシステムの存続を因果的に引き起こし未来を保証するのか、といったことは問題とならなくなる。それに代わり「どの機能がシステムの特定のはたらきを実現し、このはたらきはどの機能的に等価な可能性によって代わられうるのか」が問題と成る。ルーマンによる機能分析は因果関係の発見ではなく、問題と問題解決の連関に注目するのです。
 

*1:参考文献は馬場さんの『ルーマンの社会理論』とクニールとナセヒの『ルーマン社会システム理論』そしてルーマンの著作の信頼、権力、社会の芸術・教育システム・社会、にリスク社会論あたりである。ぶっちゃけ上記の著作を自分で読んだほうがイイと思います。そのまま文章ひっぱてきてますし

*2:奴隷制が善であるか悪であるかといった問いはここでは棄却されている