地域社会メモ コミュニティ論

 マッキーヴァーの『コミュニティ』に先立ちキャルビンは、コミュニティは農業生産と消費生活にかかわる商圏を基礎とし、その中で地域性とそれに伴う成員の共同性を形成するような社会・経済的な相互依存としてのコミュニティをじょっしょうてきに提示しようとした。
 都市社会学的アプローチとして、パークはコミュニティーの本質的特質を「生態学的には?地域的に組織され?との土地に基盤を持った3社会的ではなく、共棲的(symbiotic)な相互依存関係にあって生活する個々的単位」として捉え、生物コミュニティの上に伝統や慣習を基礎とした、制度的構造をもったソサイエティが形成されるとした。このコミュニティの基本原理は競争であって競争関係にある個人の均衡によってコミュニティが維持されるとする。さらに、バージェスによると、コミュニティを「個人や制度の地理的分布という観点から、社会や社会集団を考えたときに用いる言葉」とし、生態的・文化的・政治的コミュニティの3側面から構成される全体として捉えるようになった。マッケンジーはコミュニティを人々とサービスの生態分布として、コミュニティの成長と衰退は経済的基礎や技術革新が重要な役割を果たすとした。
 1950年代ころになるとハンターが、コミュニティ内部の権力構造の分析に焦点を当てる捉え方を示した。彼はコミュニティを「人間相互間に繰り返される諸関係のセットを意味しており、権力はこの社会体系の一部分として個人と集団の関係の一セットとみなし、コミュニティ概念を権力関係分析の準拠枠とした。この分析はコミュニティにおける自治の問題に接近していく上で非常に意味のあるものであったといえる。
 50〜70年だいには地域開発的支店からのコミュニティ研究が登場する。これは二次大戦で疲弊した開発途上国の農村的地域社会を社会・経済的視点から再生させようとする目的で国連において開発された政策手法であった。国連の定義では「地域社会開発とは、地域社会の活動的参加と主導性に出来るだけ多くの信頼を寄せて、当該コミュニティ全体の経済的ならびに社会的進歩の条件を作り出すことを意図する過程である」

コミュニティ理論の分析視角

マッキーヴァーにおいては、コミュニティへの関心は産業革命において伝統的地域社会への、人間の生への絆としてのコミュニティの喪失の危惧にある。彼においてはコミュニティは産業社会のなかで変動する地域社会ではなく、伝統的な共同感情などが生まれる共同生活が維持され、存続されるべき静態的な存在と理解されていた。

 相互作用論的アプローチでは、コミュニティの構成要素である成員との間の動態的な相互作用を分析し、集団の中で発生するコミュニティ行動プロセスとしての「闘争」「競争」「解体 Disorganization」等が解明していく。個人や集団の相互作用 interactionそのものを研究しようとするものである。こうした研究はコミュニティ行為に関する研究に重点を置くあまり、コミュニティに関する包括的な社会生活の分析が等閑視されているという批判にあう。
 
 社会システム的アプローチ
パーソンズは個人的な行為分析と社会システム分析をどう統合化するか、規則や価値の制度化を通じて社会システムとしての社会的行為の統合化の構築に関心をもっていた。彼にとってコミュニティとは「社会体系の構造で人とその活動の地域的位置に帰因するとされるサブシステム(局面)」と捉えられる。彼は社会システム論におけるコミュニティの位置づけを?コミュニティの規定と地域性?社会の機能的サブシステム?社会共同体のサブシステム化の3点から言及している。
?コミュニティの規定と地域性
?社会の機能的サブシステムは適応(経済的機能)・目標達成(政治的機能)・型の維持(社会科)・統合(社会的共同体)を充足させることによって維持されているとする。
?社会共同体のサブシステムにはそれ自体4つの機能的なサブシステムを保有している。それらは?機能分化した役割に対する義務の設定?文化的正当化としての価値への検診(コミットメント)?社会共同体としてのシステムへの不服従に対する制裁(規範)?資源の有効な配分としての効率性によって連帯性が生まれるとする。