モテキ1巻を読んだ感想(ネタバレあり) 草食系の皮をかぶった非草食系男子の恋愛物語

@stein_さんのpostを見て面白そうだったので期日前投票に行くついでに買って読んでみた。

モテキ (1) (イブニングKC)

モテキ (1) (イブニングKC)

大雑把な感想としては近年青年誌の恋愛モノでは、よくあるパターンのネガティブ男性の恋愛挫折モノといったところである。
 この物語の主人公である幸世は眼鏡をかけた細身であり、昨今流行の草食系男子を想起させる。
 またそれを狙っているのだろうが、実際はそうではない。近年の奥手で受身の男子という趣旨で主人公を描こうとしているのなら、作者は失敗しているといわざるを得ない。草食系男子の定義は色々とあるが「恋愛にガツガツせず、肉欲がほとんど無い男性」というのが主旨であろう。この定義を基に考えるなら、主人公である幸世は草食系男子とは少々違う。主人公の幸世という男子は恋愛に消極的だが、それは過去の恋愛の失敗による心の傷が原因であり、それ故に受身となってしまったというキャラだ(一応非童貞)。そんな半ば恋愛を諦めていた彼に突然知り合いの複数の女性からお誘いの連絡があり、それにより彼はまた恋に翻弄されていくといったのが話の本筋だろう。
 モテキとは上手くいったもので、もはや恋に絶望していたら突然チャンス(モテ期)が訪れた!さあ彼はこれを気に恋愛に希望を再び見出すようになるのか?彼を恋をすることができるのだろうか?恋を成就させることができるのだろうか?濃いって何だ?といったのを楽しむ漫画である。だからこの作品は今まで女性との接点も、恋愛経験もほとんどなかった消極的・受身男子の、つまりモテない以前の男子のための物語ではない。
 そこのところを期待してこの漫画を読むと、この主人公は結局リア充じゃないか、童貞でもないし女の子の知り合いもいる!という意見を持つことだろう。stein_の言うとおりこのお話は「傷ついた経験のある人間」が面白がるマンガといえる。